赤い糸が複雑に絡まり合う。
きっと大丈夫だよね?
うん、きっと
恋に溺れている二人はお互いが運命の人だと信じる。
この幸せが永遠に続け。いや、むしろ永遠に続くものだと確信している。
恋愛経験が少ない頃はそれでよかった。目の前にある幸せ、目に見えない幸せがまるで見えているような気がして。
それは屈強なもので誰にも壊せない。そう強く強く思っていた。誰にも邪魔させない、わたしたちはずっと一緒。
でもその幸せは目の前の人、愛する人が破壊する。悔しくも自分が破壊することだってある。
そう、この幸せは二人だけのものだから。どちらかがこの幸せを壊す犯人だ。
恋に溺れた若い二人は“きっと”なんて言葉は使わない。なぜなら“絶対”大丈夫だと思っているから。
でも恋愛を重ねてきた人は予防線を張る。
相手を信じていないというより、自分が傷つかないために。
またあんなに苦しい思い、つらい思いはしたくないから。この幸せが永遠に続く保証はないから…いつか終わるって知っているから。
だから、“きっと”って言葉に逃げる。
この二人の赤い糸はどうだろう。(画像)
繋がっている?繋がっていない?
どちらにせよこの二人は自分も相手も信じていない、半信半疑。
いくつもの恋を重ねると、純粋に恋を楽しむことが難しくなる。信じることが難しくなる。
それでも、人は恋をする。
“きっと”大丈夫だよね、と思いながら。