また恋の季節が始まった
もう恋なんてしないって思っていたのに
突然、春が来た
前触れはあったかどうかわからない
でも意外性はなく いつかはこうなる気がしていた
この恋は 桜のように明るい色はしていない
なぜなら 春なのにいつも雨が降っているから
たまに晴れ間が見えることもあるけれど
たいていは薄暗い
でも奥に見えるのは確かに桜のピンク色
もう手が届きそう…
そう思ったら やっぱり雨が降ってくる
天気予報は?
ーあてにならない
この恋が始まったときと同じように
前触れなく雨は降ってくる
傘はいつも準備しているけれど
まるで意味がない
だって雨は 傘を全部すり抜けて
わたしをずぶ濡れにしてしまうから
束の間の晴れ間に乾かしてみても
また すぐに雨が降る
春の雨はやむことを知らない
だって“普通”の春ではないのだから