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声だけで恋しました、好きな人ができました

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はじめの印象は最悪だった。意地悪な人だと思った。こういう人とは絶対仲良くなれないと思った。

でも少し話してみると、最悪だった第一印象はすぐに覆された。

いい人、というかいい声の人。

久しぶりにいい声の人に出会った。

お世辞じゃなくて「あ、この人の声好き」瞬間的にそう感じた。

それから話すようになって、その人のことを知っていって。

声以外にもその人の魅力を感じだして。

「声が聴きたい」

そう思ったときにはもうこの恋ははじまっていたんだと思う。

その人の配信に足しげく通った。もうまるでストーカー。通知がきたらすぐに飛んでいく。

「このままいったらダメだ」

直感がはたらいた、自制心がはたらいた。

そこからその人の配信を避けるように。数週間かな?声を聴かない日々が続いた。

でもわたしの中から簡単にあの人の存在は消えなかった。

気付くとまた配信を聴きにいくように。

そしてついに二人きりで話す機会がやってきた。

いままで聴いていたのに聞くときがきた。

「もしもし…」

できるだけいつも通り。みんなに話すときと同じようなテンションで。

でも電話越しのわたしは顔がほころびっぱなし。抑えつけている感情が隠せなくなった。

「やばい、好き」

久しぶりの感覚。結婚してから抱くことのなった気持ち。昔のことを思い出すことはあっても、新しい人を想うことはなかった。

それなのに…自分の気持ちに気付いてしまった。

でもわたしには大切なもの、守るものがある。

だからこの気持ちには気付かなかったふりをして。

また明日から普通の顔して接していく。

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